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意外と知らない、
「いい歯」をまもる
毎日ごはんの簡単ひと工夫
文・江口恵子
記事提供:citrus

意外と知らない、「いい歯」をまもる毎日ごはんの簡単ひと工夫

「年齢を重ねてもおいしく食事を楽しむには“歯の健康”が欠かせない」と、よく言われます。
歯の本数が減ると、やわらかいものしか食べられないなど、食べられるものの種類が減っていきます。また、おいしさを感じづらくなるという調査結果もあります。

歯を失う主な原因は、むし歯と歯周病。とくに歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどなく、気づく頃には重症化しているという厄介な病気です。“お年寄りがなるもの”というイメージがありますが、じつに30代の8割以上が歯周病にかかっているのだとか。

歯周病予防の基本は、食後の歯みがきなどのセルフケアや定期的な歯科受診。さらに、日頃からよく噛むよう心がけると、だ液の分泌が促され、食べ物のカスや細菌を洗い流してくれるそう。

■「よく噛んで食べる」って、実は意外とむずかしい

■「よく噛んで食べる」って、
実は意外とむずかしい

でも、「よく噛むのが大切」と頭でわかっていても、いざ実践するとなると、なかなかむずかしいもの。「食材の選び方や調理方法をひと工夫するのがポイントです」と教えてくれたのは、フードスタイリストの江口恵子さん。

「私自身もそうだったんですが、“よく噛もう”と意識するだけだと、なかなか噛めるようにはならないんです。 でも、“噛む必要”のあるメニューを取り入れると、無理なく続けられます。例えば、野菜を少し大きめにカットしたり、固めにゆでたりするだけでもずいぶん変わりますよ」

■江口さんおすすめの「歯周病予防」に役立つ3つの食材

1.煎り大豆

「ちょっと小腹がすいたときのおやつにもおすすめです」と、江口さん。市販品もありますが、自分でも簡単に作れるそう。手作りする場合は、乾燥大豆をさっと洗って、フライパンでから煎りするだけ。日持ちするので、週末など時間があるときにまとめて炒って、瓶などに保管しておくと便利です。

「そのまま食べるのはもちろん、ひじき煮に加えたり、ごはんと一緒に炊き込むのもおすすめです。大豆の水煮缶の代わりに、ミネストローネに入れても香ばしくておいしいですよ」

大豆の水煮缶を使うレシピの大半は、煎り大豆に置き換えられると考えていいとか。煎り大豆は火を通してもしっかりと歯ごたえがあるので、水煮とはまた違った楽しさが味わえます。

2.根菜類(特に生の大根、加熱したゴボウやレンコン)

“歯ごたえのある食感”を手軽に取り入れられるのが、根菜類。江口さんイチオシは大根、ごぼう、れんこんです。

「生で食べるなら、大根スティックがおすすめです。ツナ缶とポン酢を混ぜてディップにしてもおいしいです。ごぼうやれんこんは少し大きめの乱切りにして、煮物にするのが簡単。あとは、せん切りではなくピーラーでそいで、きんぴらにしても、かみごたえがあっていいですよ」

下ごしらえが面倒……という場合は、カット済みのものを活用するのも一案だとか。例えば、下ゆで済みの根菜セットを購入し、煮物に仕上げるといった具合。火をとおしすぎないよう、調理時間を調整し、なるべく歯ごたえを残すのがポイントだそう。

3.ナッツ類

アーモンドなどのナッツ類は煎り大豆同様、ちょっとしたおやつになる他、サラダのトッピングなどにも大活躍。

「粗く刻んでヨーグルトにトッピングしたり、ハンバーグや肉団子などのひき肉だねに混ぜてみたりするのも、目先が変わって楽しめます。見映えを意識すると、つい細かく刻んでしまいがちですが、歯の健康を考えるなら、ざっくり大きめに刻みましょう」

■「歯ぐきにいい食べ物」の条件は?

さらに、注目したいのが「ビタミンC、E、B2」「食物繊維」を豊富に含むもの。具体的にはリンゴやカリフラワー、ブロッコリー、小松菜などで、これらはいずれも、"歯ぐきにいい食べ物”なんだそう。

「ビタミン類は血流を促し、粘膜の修復にも役立ちます。また、食物繊維が豊富な食材は噛むことで歯ぐきのケアにつながります。大豆やナッツ類、根菜と同じく、取り入れるときは歯ごたえをしっかり残しておくのがポイントです」

いきなりすべての食生活を変えるのではなく、できることから少しずつトライしてみるのも、長続きするコツだそう。

「外食のときも、歯ごたえがありそうなメニューと、なさそうなメニューがあったら、歯ごたえがありそうな方を選ぶ。コンビ二でヨーグルトを買うなら、ナッツ類も一緒にゲットしてみる。こんな日々の積み重ねが、歯ぐきの健康維持に一役かってくれます」

もちろん、食後はハミガキやデンタルリンスなどで、しっかりケア。よく噛む食習慣とこまめなセルフケアで、何歳になってもおいしく食事を楽しみたいですね。

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江口 恵子
江口 恵子インテリア&フードスタイリスト。企画・レシピ提案、スタイリングなどで活躍するかたわら、「ナチュラルフードクッキング」を主宰。吉祥寺のカフェ「ORIDO」オーナー。
特にケータリングは健康志向の多くのタレント、ミュージシャンからも支持を受けている。メディア実績は「pen」「saita」「オレンジページ」「天然生活」ほか幅広く活躍中。